本日は散歩に

 お正月の準備にかかってから、なかなか歩きにいく時間がとれずでありましたが、
本日は、何日ぶりかで速歩での散歩に出かけることができました。
 朝方に水分を一杯に含んだ雪が3センチほど降りまして、朝起きての仕事は、これ
の除雪でした。水分をたくさん含んでいるということは、冷え込みましたら、路面が
つるつるに凍ってしまうということで、こうなったら、とても危険です。
 日中は暖かでありましたので、路面はぐちゃぐちゃでありますが、2時間弱ほど歩い
ておりました。さすがにお正月とあって、いつもより歩いている人の姿は少ないので
ありますが、散歩を日課としている熱心な人を見かけました。
 戻ってからすこし読書ですが、田中勝則さんの「中村とうよう評伝」を手にとって
読みすすめ、あとは「ちくま」1月号に掲載のブレイディみかこさんの「木枯らしに
吹かれて」という短い文章を。
 本日は、ブレイディさんの文章から引用です。
「この公営住宅地で生まれ育った彼は、この辺のことなら何でも知っている。うちの
庭に立っている巨大な樹木が、昔は地域の人々の里程標がわりに使われていたことや、
石灰質でどんな植物でも育つわけではない貧民街の地質の形成の経緯など、何年も失業
保険で生きていた時期に暇を持て余してコミュニティーの歴史を勉強したことがあるら
しく、この界隈に関してだけは膨大な知識を持っている。
 英国の労働者階級のおっさんにはこういう人が多い。単なるガラの悪いおやじかと
思っていると、実はやけにオタクな一面を持っていて、何か一つのことに対して無駄な
ほど豊富な知識を備えた人たちがいる。実はこのあたり、サッチャー政権からブラウン
政権ぐらいまではわりに楽に失業保険や生活保護が受給できたので、労働者階級の街
には仕事しないでぶらぶらしている人がけっこういた、という事実が、思わぬところで
豊かに実を結んでいるのである。」
 もちろん、こうした給付を受けて、昼間から酒を飲んだり、ばくち(日本でいうと
パチンコなどですか)をしにいくというおっさんもいるのでしょうが、思わぬところで
「豊かな実」というのが、よろしですね。日本でもこういう事例というのはあるので
しょうか。あまり眼にすることはありませんが。