一雨ごとに

 台風なみの低気圧が昨晩から北海道に接近していて、明け方にはこの街でも最大風
速が25メートルを超えたようです。幸いなこと、ご近所にも被害はなかったようで
すが、わずかに残っていた木々の葉は、ほとんど落ちてしまい、アスファルトの上に
濡れ落ち葉となっていました。気温が高かったので、雪にならずよかったことです。
 ずっと悪天候であったことから、このところの日課になっている速歩散歩は中止と
なりで、家にこもっている時は、佐野真一さんの「甘粕正彦」を読んでおりました。
やっと半分近くまできたところですが、「従来の甘粕像をことごとく覆す衝撃の大河
ノンフィクション」と帯にあるものの、当方はほとんど甘粕について知るところが
ないのでありますからして、大杉栄の件についての軍法会議におけるやりとりも含め
新鮮な驚きがありました。
 佐野さんは、大杉栄などの殺害は軍上層部がかかわっていて、甘粕個人の意思による
ものではないという考え方ですが、その後の甘粕の歩みなどをみましたら、本当にそう
としか思えないことです。
 この時間にはNHKで放送されているスイッチインタビューを見ているのですが、今回
長塚圭史さんと舟越桂さんの対談であります。
 ともに父親と同じ仕事についているお二人ですが、そのなかで舟越さんが自分の母親
について語っている時、「自分は母から光りをもらった」と語っておりました。
なんとまさに、このところ読んでいる松家仁之さんの「光の犬」と重なる言葉ではない
かなです。
 北海道出身でカトリック信者さんであった舟越道子さんでありますが、その家庭で
育った桂さんは、ごくごく自然に「光をもらう」との発言されるのを聞いて、なるほど
こういうことかなと思ったことです。