客人あり

 今週はじめにきました客人は、いまだ滞在が続いておりまして、普段の生活ができて
おりません。もちろん本はまるで読めていなしです。
 本日に届いたものを記してお茶を濁すことといたしましょう。
 まずは「ちくま」10月号が届きました。
 上野千鶴子さんが「情報生産者になる」という連載をしていまして、10月はそれの
10回目となりますが、今月はじめて、次のくだりのところを目にしました。
東京大学社会学科では、卒業論文に八万字(四百字詰原稿用紙換算で二百枚)、
修士論文に十六万字(同四百枚)、学位論文に二十四万字(同六百枚)が標準として
要求されました。長ければよいというものでもありませんが、量が質を規定すると考え
られたからです。八万字といえば、そのまま新書になる分量。東大の学部生は学部進学
後二年間でほぼ新書一冊にあたる卒業論文を書いて卒業していきました。おびえる進学
者を前にわたしはこういったものです。『だいじょうぶ、これまで卒業していった人で
書かなかったひとはいないから(笑)・・・
 修論がそのまま単著になった学生もいます。もちろんそれ以上書くひともいます。
いまでも伝説の修士論文は、見田宗介さんの四十万字(千枚)超という記録です。」
 見田宗介さんは、小学校の頃に「資本論」を読破したということで新聞にとりあげら
れたという話をききますが、二十歳過ぎればただの人ではなく、このころも伝説の人で
あったのですね。
 上野千鶴子さんの著作は、ほとんど読む事がないのですが、その昔東京大学出版会
PR誌で、「知の技法」の発売を記念しての対談がありまして、当時東大にうつって
きたばかりの上野千鶴子さんの発言をみて大いに笑ったことがありました。
あの「UP」の対談は、どこかで話題にしていると思っていましたが、どうやら、まっ
たく言及していないようで、あの「UP」を見つけだしてこなくてはいけないことで
す。