「みすず」8月号

 「みすず」8月号が届きました。
 表紙の裏の小沢信男さんの「賛々語々」は、連載82回めとなり。冒頭の句は画家の
竹久夢二のものです。若き日の夢二は、俳句をしていたのか。締めは鶴彬の有名な
句でありました。
 今月号の「みすず」表紙には、「追悼 ジョン・バージャー」と刷り込まれていて、
その関係の文章が二本収録されています。
 ジョン・バージャーが亡くなったというニュースは新聞で見た記憶がありです。
ジョン・バージャーという名前に反応したのは、いまから40年ほど前にこの方の小説
作品を読んだことがあったからでした。その作品はブッカー賞を受けたということで、
翻訳が出た時に話題となったようです。
 すでに就職はしていましたが、自分の時間がたくさんあった当方は、この「G」と
いう作品を購入したのでありました。たしか最後まで読んだはずでありますが、この
作品がどのようなものであったのか、まったく記憶に残っておりません。本日の午後
になって物置から、この本をだしてきて、解説などをぱらぱらとみることとしました。

G. (1975年)

G. (1975年)

 「G」の訳者あとがきから書き出しの部分を引用です。
「『G』は1972年に発表されて以来、さまざまな意味で英米の文学界をにぎわしてき
た。一つにはこの作品が、ジェイムズ・テイト・ブラック賞や、ガーディアン賞につ
づいて、ブッカー賞(与えられる賞金はイギリスの文学賞のうちで最高の五千ポンド)
を受賞した際、バージャーが式の席上で、この賞のスポンサーと、文学賞そのものを
批判し、賞金の半額はブラックパンサー運動に寄贈するつもりだと宣言したせいでも
あった。」
 ジョン・バージャーという人物は、とっても骨っぽい作家なのでありました。