本日の新聞から

 本日の新聞で一番のヒットは何でありましょうね。
 当方は朝日新聞を購読しているのですが、本日は読書欄ではなく「朝日歌壇」に
それはありました。
各新聞では読者からの短歌の投稿を募り、それを選者が選んだ10首が紙面に掲載とな
るのですが、この短歌欄にはその実力が広く知られている有名な方もいたりして、な
かなか興味深いものです。
 本日の「歌壇」では、ずいぶんとひさしぶり(のはずですが、前回はいつであった
のかはわかっておりません。)で四人の選者(永田和宏、馬場あき子、佐々木幸綱、
高野公彦)が、同じ短歌を選んでいました。
 複数の選者が選んだ歌には、☆印がつけられるのですが、本日の紙面には、一つの
作品に四人の選者が☆をつけたことになります。
 その作品は、すべてひらがなで表記されていて、つぎのものです。

 いつもよりながくてすこしきつかったそつえんのひのせんせいのだっこ
   奈良市 山ぞえ葵 
 これを一番にあげているのは、佐々木幸綱さんでありまして、これへのコメントは
「幼稚園卒園の日、先生とのお別れの場面。とてもいい記念の短歌になりました。」と
あります。
 どうやら、この作品はこの三月に幼稚園を卒園した子どもさんが詠んだものである
らしです。子どもさんが普段から短歌に親しんでいたのかどうかわかりませんが、
子どもさんが発した言葉が、そのまま三十一文字でまとまったものといえるでしょう。
短歌をやっているご両親のどちらかが、子どもさんに投稿することをすすめて、子ども
さんが一生懸命に葉書に記して、郵送されたのでしょう。
 子どもさんの自筆でありましょうから、これは目にとまるでしょうが、それと選する
ことは別な話でありまして、子どもの素直な気持ちがストレートに表現されていて、
それが短歌として評価されたということなのでしょう。
 これはすこし話題になりそうでありまして、ひょっとすでに有名かと思って検索をし
てみましたら、この方は常連の6歳でありました。なんと早熟なことで。