最近手にした本 10

「大阪は親戚」でありますからして、大阪の行く末のことを心配しているのであり
ますよ。大阪都構想というのをぶちあげて、府と市が一つにすることを公約にして
当選した首長さんでありますが、大阪都なんて似合わないことと思うのですが、
それだけ地盤沈下が激しいということでしょうか。
 最近手にした本に、次のものがありました。

暴走する地方自治 (ちくま新書)

暴走する地方自治 (ちくま新書)

 著者である田村さんは、かって自治省にいらした方でありますので、現在の法律
の枠組を理解したうえで、どのように作り替えるのかということを考えることが必要
といっていますので、これは改革は首長とは相容れない立場であります。
 改革派首長の共通項ということで、次の点をあげています。
1 抵抗勢力を明確にする
2 危機を煽る
3 マスコミにたびたび登場する
4 外部からの人材登用に積極的である
「 このような『改革派』首長が各地で誕生する背景には、国政に対する失望や世の中
を覆い包むいいようもない閉塞感を打破してくれるのではないかという漠然とした期待
感など様々なものがあるだろう。・・
 地方自治の世界が劇場化するなかで、地域主権を声高に叫び、地域の自主性と主体性
を発揮して、改革に邁進しようとする姿は多くの有権者から頼もしいものと評価される
だろうが、見方を変えれば、行きすぎた分権というものは分断国家の危険性をはらんで
いるのではないだろうか。」
 極端な地域主権を主張する政治団体が、国政に進出するというのは、ひどく矛盾はして
いないかともいっています。
「どの政権も常に改革をその最優先課題の一つに掲げ、様々な取り組みを進めてきたが、
改革はすべて成功裏におわったのだろうか。・・
 どうも改革をやりっぱなしで、ある程度のところまで進むと他の課題に力を注ぐよう
になる。いわば焼き畑改革とでもいうような状況が続いているのではないだろうか。」
 「焼き畑改革」というのは、言い得て妙であると思いましたです。
 徹底した改革ということになると、これこそが問題を生むのでありますね。