百歳までの読書術 8

 昨日の「アメ・トーク」という番組をみていましたら、昨日のテーマは「読書芸人」
というものでした。最近は読書していることを売りにしている「芸人」さんもいる
のかです。読書に関する文庫本をだしている芸人さん(ピースの又吉さん)が、
古書店で、上林暁さんの小説を求めたりするのはよろしですね。彼の書棚をカメラで
とらえていましたが、もうすこしゆっくり背表紙をみせてよと思いました。
 どこかで記したことがあるかもしれませんが、岸部シローさんは夏目漱石の書斎を
再現することに情熱を燃やして、その著書の口絵写真には、自ら再現した漱石書斎に
入り込んで漱石に扮した写真がありましたが、ピース又吉さんにも太宰治さんに扮し
た写真にでも挑戦してもらいたしです。
 昔は、芸能人で読書家という存在は、特に珍しいものではなかったように思います。
最近は、本が読まれなくなったことにより、こうした芸人さんたちは珍重されるよう
で、彼らにすれば良い時代になったものです。
 読書術に精通すれば、目指すは「読書名人」であります。今から17年ほど前の雑誌
に「散歩と釣りと雑本が読書名人への王道だ」と喝破した特集がありました。そんな
とんでもないことをいっているのは誰かなです。

 今はなき「ノーサイド」の特集「読書名人伝」95年5月号であります。
表紙のお二人は「知の巨人」ですが、この二人の表紙写真につけられたコメント。
「いかめしいヒゲを蓄えた坪内逍遙(左)と幸田露伴近代文学を代表する二人の
作家も、見方をすこし変えれば、『書く』より『読む』の人だった。
八犬伝』の耽読から、いつか別れを告げねばならなかった逍遙。
独学でひろく和漢洋の書物に通暁した露伴
彼らはまぎれもなく読書名人だった。」
 この特集は、坪内祐三さんが深く関わっているようです。この特集における坪内
さんの紹介。
「若さに似合わぬ膨大な知識を駆使、明治大正文化史を中心に、日本近代に新しい
視点を提示する。淡島寒月伝、靖国神社論を準備中」とあります。」