小沢信男著作 223

「文献の藪へ踏み入ってみる。われながら物好きな気がしないでもないけれども。」
とありまして、小沢さんは、文献にそっての真相究明を行っています。
 とりあえず、参考とした文献名を記していくことにしましょう。
1 「松の門三艸子歌集」 大正九年 門人たちの編集 短歌五百十九首収載
   巻頭に門人代表 大峰筆子による「三艸子一代記」あり。
2 「松の門三艸子論考」 塩田良平「明治文学論考」 桜楓社 一九七〇年刊
   七十頁をこえる綿密さで、さすが考証の人。後にもさきにもこれにまさる
   労作はないとあり。
3 「大東京五百年」 木村毅 毎日新聞社  一九五七年
4 「風流芸妓」   小川煙村編 やまと新聞連載 明治四十三年   
5 「風雅新聞」   明治十年二月
6 「樋口一葉日記」 明治二十六年三月二十一日の項 平田禿木の語り
7 「二人の歌人の思い出」 吉江喬松 昭和十年 「吉江喬松全集第七巻」所収
8 「千人信心」  覆面生 国木田独歩編集「新古文林」明治三十四年 七月号
9 「新編 近代美人伝」 長谷川時雨
10 「三十六人の好色家」 斎藤昌三
11 「明治文雅姓名録」 明治十二年刊
12 「明治過去帳」   大植四郎編著 
13 「雑誌 新小説」  明治四十三年 七月号
14 「都新聞」     大正三年八月二十六日
15 「江戸繁昌記」   寺門静軒
16 「日本歴史人名辞典」日置昌一
17 「朝日日本歴史人物事典」 朝日新聞社刊 1994年刊
18 「明治女流文学集(一)」 筑摩書房「明治文学全集」1996年刊
19 「日本近代文学大事典」 講談社 1984年刊 
 文中で、書名の掲載があるものだけでも、このくらいはあります。調査を行った
文献は、これの数倍はありますでしょう。
 そこまでやって、小沢さんの「真相究明」は、どうなったのでしょう。
 これについては、この文章にあたってもらうことといたしましょう。