小沢信男著作 145

 「東京下町親子二代」という写真集を話題にしています。
 写真家の高田行庸さんは、ずっと「本所」にお住まいの方のようです。
 かっては「本所区」といわれたのですが、昭和22年に向島区と合わさって墨田区
なり現在にいたっています。浅草から隅田川をわたったところが、本所となります。
 高田さんによるまえがきにある「本所」の説明です。
「この写真集の舞台である『本所』は、東京の東部、隅田川の東畔、浅草の対岸にあり、
江戸時代から講談や落語に登場する、東京の典型的な下町です。詳しくは小沢信男さんの
『本所 あの町 この道』を読んでいただくとして、戦前からの小規模な家内工業や職人
の町でもあります。」
 思いつくままに撮ったら「このようにバラエティ豊かな職業とその家族が集まりまし
た。十二年という時の流れの中に、”十年一昔””十年一日”を確認する写真集になった
と思っています。」とまえがきにありますが、この本のおさめられている写真が撮影され
てから、さらに二十年が経過がしています。表紙を飾ったおそばやさんの親子は、二十年
たって、どうなったか気になるところであります。