ちくま2月号 2

「ちくま」に連載の佐野真一さんの連載のタイトルは「テレビ幻魔館」というもの
です。二月号では「忘れていた感動」という題になっています。
 いつもは、テレビ番組をこきおろすことが多いのですが、今月は「忘れていた感動」
でありますので、これはほめているものでしょう。
「年末年始のテレビに何かめぼしい番組はないのかとザッピングしていたら、とんでも
ない掘り出し物にぶつかった。こんなことは五年に一度あるかないかというほどうれしい
春の珍事である。
 十二月三十日の正午からフジテレビ系で放映された『私たちの時代』という古風な
ドキュメンタリー番組が、それである。・・・
 『年末くらいは掃除を手伝いなさいよ』。カミさんに文句をいわれながら、私は
二時間半もテレビに釘付けになった。そして画面から静かに打ち寄せてくる感動に
しばしば涙がこぼれた。・・
 この感動を人に伝えるのは、ひどくむつかしい。」
 この番組はテレビ欄でも大きく取り上げれていたので、当方は録画して、あとで
みることができました。ちょうどお正月休みにはいりましたので、いつもより、さらに
興味がもてないテレビ番組にチャンネルをあわせず、この番組を録画したものを
見物しておりました。
 正月に見るものとして、これ以上のものはなかったのかもしれません。