書肆ユリイカの本3 

書肆ユリイカの本」田中栞著を見ていましたら、「ユリイカの本を図書館で閲覧
する」という章がありました。
 国立国会図書館、東京都立図書館、神奈川近代文学館日本近代文学館に所蔵さ
れている「書肆ユリイカ」の刊行物を調査したレポートでありますが、かって数年間
国立国会図書館」の近くにある職場にかよっていたことがあるのですが、「国会
図書館」は敷居が高くて、いくことができませんでした。
 今回、田中さんによる具体的な利用報告をみましたら、資料閲覧のためには、やはり
国会図書館は宝庫であるということがわかりました。田中さんは国会図書館の蔵書に
ついて、「和図書199点と和雑誌4店が発行順にずらりとでてくる。本によっては複数
冊所蔵しているものもあり、さすがの所蔵量である。」と記していました。
 普通でありましたら、国会図書館の所蔵には圧倒されるというのが一般的であります
が、昨日に記したとおり田中さんのコレクションのほうが国会図書館よりも所蔵する
冊数が多いということがわかります。
 田中さんは、国会図書館に所蔵されている本が、どのような形で納本されたか、その
詳細を探るべく所蔵された本のなかで、納本された本を、受付印日付を調査して、それ
を整理するということをやっています。法律では、出版物は「発行の日から三十日
以内に一部を国会図書館に納入しなくてはならない」ことになっていますが、田中
さんによりますと、書肆ユリイカの本には、所蔵されていないものがあるとのことです。
 書肆ユリイカの図書目録は、これまで「詩人たち ユリイカ抄」に収載の「図書
目録」が一番信頼されるものでありましたが、田中さんは、独自の調査で、次のように
記しています。
「 この目録自体にいささか遺漏があり、目録にないが筆者が把握しているおのも加え
ると、三十一点程度所蔵されていないようだ。」
 ほんとによくもよくも調べたという感じであります。