SUREの本

 京都にある編集グループSUREがユニークな活動を続けています。鶴見俊輔さんの
スクールでありますが、現在は、作家の黒川創さんが、中心となって活動を行って
いるようです。
 自宅に仲間が集まってゲストを招いて勉強会を行っていたのですが、その時の
模様をブックレットにまとめて販売をはじめたのが最初ではないでしょうか。
こうしてまとまったものには、山田稔さんを招いてのものがあったり、このブログで
もふれたことのある「茅辺かのう」さんについてのものもありました。何冊か
ブックレットを出してから、鶴見俊輔さんの詩集をだして話題になりました。
あちこちの新聞で取り上げられて、この手のものとしてはずいぶんと売れたのでは
ないでしょうか。
 鶴見俊輔さんの大学での教え子さんに北沢恒彦さんというユニークな方がいらして、
この人は京都市職員で、中小企業診断士かなにかでありました。中小企業振興の
仕事をするかたわら「思想の科学」のメンバーであったはずです。晶文社から
著作もだしていて、この本は購入して、自宅のどこかにあったはずです。
 編集グループSUREは、この北沢恒彦さんの遺志をついで、娘さんがはじめたもので
ありまして、作家 黒川創さんは、北沢恒彦さんの息子さんでありました。
どうりで、鶴見俊輔さんとのパイプが太い筈であります。
 正月休みに頼んであった「悼詞」鶴見俊輔 SURE刊が届きましたが、これの
奥付をみましたら、なんと初版第三刷となっていました。最初にでてからひと月と
すこしでのことですから、一回あたりの増刷数がどのくらいかわかりませんが、
増刷というのが景気のよろしいことです。
 小説家の秦恒平さんは、北沢恒彦さんのご兄弟であったと思います。
秦さんは、自分の作品が次から次と絶版となっていったのに抗して、自らが
版元もなることで、自分の読者からの求めに対応していました。秦恒平さんは、
作家として独立する前は、医学系出版社勤務であったはずですから、本の
製作はお手の物であったでしょうが、在庫を収めておくのに、自宅はちょっと
した倉庫がわりになっていたのでしょう。
 北沢恒彦秦恒平黒川創と皆が同志社大学つながりでもありまして、京都の
力を見直すことであります。