ことしのおすすめ 3

 ことしのおすすめ本といっても、当方があげるものは、拙ブログのどこかで
触れている筈であります。そのうち、自分がメモのようにつけているものを見直して、
なんらかのリストを作成することにいたしましょう。それにしても、今年もブックオフ
などで本を買ったのではありますが、とにかく読めていないことです。谷崎潤一郎
「蓼喰う虫」などは、中編ですからすぐに読んでしまうはずでありましたが、読み
始めてから相当の日数がたつのですが、いまだ半ばくらいをうろうろです。
これじゃいけません。
 それにしても、「蓼喰う虫」の主人公が60歳を前にして、老いたとか老人という
ように描かれるのが当時の時代であります。最近話題になった沢田研二(ジュリー)
ではないですが、60歳になってもアイドル路線のような活動をしている人もいるの
ですから、歌い手も聞き手も、ずいぶんと気持ちは若くなっていることです。
「蓼喰う虫」の初老の男性は、ちゃっかり若い愛人をかこっているのではありますが。
 ブックオフで購入したもので一番の大物は、福武書店からでていた「八木義徳全集」
の全8巻でありまして、これを一冊5百円で一括確保したのが、ことしのハイライトで
あったのかも知れません。田村義也さんの装幀で、田村さんの著書「ゆの字ものがたり」
でも多くのページをさかれていたもので、気になっていたのでした。もちろん、これも
つまみ読みであります。
 「ダ・カーポ」の特別編集「今年最高の本」には、新聞各社の読書担当者が選ぶ、
08年最高の本という特集ページがあるのですが、「朝日」「毎日」「読売」「日経」
「産経」「北海道」「日刊ゲンダイ」「赤旗」この8つの新聞社の担当が、それぞれ
5冊をあげているのですが、これがほとんど重複していなくて、しかも未知の著者の
ものがあって、参考になりました。
さーっと見て、2人があげているのは平野啓一郎さんの「決壊」だけであります。
そうか、ことしの話題といえば、本格派では平野さんの作品か。これまで、平野作品は
まったく読んだことがなく、そろそろ平野さんのものを、自分に読むように進める
時期になっているのでしょうか。(そういえば、いきつけのブックオフに2冊そろって
いたのに、あれを正月用に確保しておくべきであったか。)