最近の雑誌付録事情

 数ヶ月前に雑誌「ラピタ」が、久しぶりで万年筆を付録にするということで、
色めきたって本やへといたことがありました。付録のつく雑誌というのは、
小生の子どものころには、普通のことでありましたが、むかしの月刊誌が衰退
してからは付録でおなかがいっぱいになったような雑誌を見かけることがすく
ないように思っていました。こどもころ、月刊誌というのは、ほとんどお正月
くらいしか買ってもらうことがありませんでした。「冒険王」「少年」「ぼくら」
なんていうのが少年雑誌の代表格でありましたが、兄弟でべつの雑誌を購入し、
おたがいに見せっこしたことをなつかしく思い出します。
お正月は特大号といって、特に付録が充実していたようにも思います。
組み立て式の紙細工による付録と、本誌から連続する付録の漫画など、どきどき
するようなものですが、漫画雑誌の性格でしょうか、まったく手元に現物は
のこっておりません。コレクターズアイテムとしては、文学ものとくらべると
コミック系は、桁が一つ違うくらいに高いのでありました。
 「本の雑誌」12月号には、9月ひとつきに販売となった雑誌についていた
付録というのを発売日ごとに整理して報告する力作があります。書店員さんの
手になるものですが、これで全部と断言できないところが、奥の深いことで
あります。小生は、雑誌の付録というと、ラピタの万年筆くらいしか、最近は
思い浮かべないのでありますが、じつにたくさんの種類がありまして、驚き
ましたです。
 今もむかしも人はおまけに弱いということでありましょうか。特に女性誌などは、
付録のついてない月刊誌はすくないくらいでありまして、女性には付録がない
雑誌は論外という思いがあるのでしょうか。
 9月25日入荷の「ラグビーマガジン」には、付録で「別冊全国主要大学
チーム2008年度写真名鑑」というのが付録についています。ベースボール
マガジン社は、ほとんどのスポーツ競技について雑誌をだしていたのですが、
数年前までは「アイスホッケーマガジン」というのがでていました。これでも
全国の学校に呼びかけて、高校、大学の選手名鑑というのを付録につけており
まして、マイナーなスポーツではありましたが、この名鑑をたよりに大学の
リーグ戦などを見物する人たちがいました。このように実用的な付録であり
ますと、本誌と名鑑のどちらが付録かわからないような格好になりますが、
日本で一番のアイスホッケーパトロンが会社経営から退いて、このアイスホッケー
マガジンも廃刊となってしまいました。