季刊「湯川」No.3は、77年10 月刊行となっています。
前号が4月刊でありますから、この号がでるのに半年かかって
います。
表紙画 高田博厚デッサン
野田理一 大津絵への前言
郡司正勝 亡くなった写真
望月洋子 旅の栖
鶴岡善久 荷風の未発表葉書
有田佐市 ムッシュ・Tについて 2
宇佐見英治 泉窗書屋閑話 3
巻末の刊行案内は、見開き2ページに各ページ7冊のっていまして、
最終ページは全面 「稚年記」赤尾兜子の広告となっています。
この広告文は、五木寛之の手になるものです。
「 やわらかな生年の魂に翳を落とした激動の時代の息づかいを
『茶色の戦争』という言葉で歌ったのは中原中也であったが現代
俳句の一方の極に立つ赤尾兜子もまた多感な青年としてその
時代を生きた一人であった。若き日の遺書として詠まれ今日まで
長く筐底に秘められてあったこれらの作は私たちにはじめてあか
される兜子の原点といえるだろう。」
B40取判角背装 一頁二首組 一五六頁 上製本貼函納
十月五日発売 定価 二千円
小生のところの、この号には、当時の郵便振替の払込表が
挟み込まれいます。これが一番時代を感じさせることです。