装丁家の仕事 2

 「本の雑誌」10月号の巻頭におかれる「今月の一冊」に寄せられている文章にも出版社の営業からみた商品としての本の装丁について記されています。

「 オレ達営業が装丁にまず求めるのは、納期に間にあうことである。本文は校了しているのに、装丁が間に合わず搬入日をずらしてくれなんて編集者にいわれたときは、猛烈に頭にきて、一色のカバーにタイトルと著者名と流通コードを入れて、本にしちまってくれといいたくなる。」
 このように記してから紹介されているのは、「しかけのあるブックデザイン」
(グラフィック社刊)という本でありました。
 これには、「多くのデザイナーが創意工夫を凝らした本が紹介されている。」
のだそうです。「穴をあけたり、透かしたり、両面印刷してみたり、『建築する身体』(春秋社)にいたっては、トイレットペーパーに本文が印刷されているではないか。こんなの会議でみせられたら納期だ、経費だ、なんて言う気も失せる。紹介されている『しかけ』が営業的にすべて×なのに、ページをめくっていると、いつのまにか、こんなデザイン楽しいよね、うちでもこんな本作れないかなとワクワクしてきてしまう。」
 これには、このほかにどのような本が紹介されているのかと思いますが、トイレットペーパーに本文印刷という本を刊行しているのが「春秋社」であるというのが驚きであります。まじめに考えたら、このようになったのでありましょうが、どのような内容の本なのでしょうか。