みすず「読書アンケート」

 本日の午後に用を足すために準備をしていたところに、雑誌「みすず」が
配達されました。数年前までは、「みすず」は購読料が高いせいもありまして、
読書アンケートの掲載される号のみ注文をして、入手をしていたのですが、
すこし懐の具合がよろしくなったことと、小沢信男さんの「通り過ぎた人々」が
連載されることになったので、定期購読に切り替えて、いまにいたっているので
ありました。普段の月には、難しくて歯が立たないと、すぐにつんどくとなるので
ありますが、このアンケートのところは、いくらみても見尽くすことができない
のでした。
 小生が、このアンケート掲載号をはじめて手にしてから、ページ数はずいぶんと
増えて、立派になったものです。かっては、いろいろな雑誌でアンケート形式を
とって「昨年の収穫」というような特集をしていたのですが、メタローグから
でていた「リテレール」も廃刊となって久しい感じになります。「本の雑誌」の
特集では、ちょっと物足りないしな。たしか、「文学界」も12月号などに
アンケートを掲載していたと記憶していますが、最近は、なくなってしまって
いるようです。
 昨日まで、話題にしていました富士川義之さんもアンケートにこたえているので
すが、このアンケートの質問は、次のようなものです。

「 2007年中にお読みになった書物のうち、とくに興味をかんじられたものを
五点以内で挙げていただきますよう、おねがいいたします。」

 五点以内と、ことわっていますが、今年であっても一番多い人は、16冊くらいも
掲載しています。回答者はお年寄りですが、これはないねです。どこからもチェックは
入らないか。 

 富士川さんは、きちんと5冊です。
1 イーディス・ウオートン  「幽霊」 作品社
2 アーネスト・ダウスン作品集 岩波文庫
3 ゼーバルト 「土星の環」 白水社
4 大江健三郎 「ろうたしアナベル・リイ」 新潮社
5 辻原登   「円朝芝居噺 夫婦幽霊」 講談社

 辻原登さんのところは、意外な感じをうけるのですが、辻原さんについては絶賛で
あります。
「短編『枯葉のなかの青い炎』を読んで以来、奇想と現実を微妙に考察させながら
 奇たんの世界を語り続けるこの作家から目がはなせないでいる。・・斬新な着想、
巧妙な語り口が印象的な知的なエンターテインメント」
「枯葉の中の青い炎」は新潮文庫にはいったのを機によみましたです。こうした
作品がかけるのは、ほんとに実力がある証拠とおもいましたです。今回の作品は
文庫になるまでまたずに、読むことにしようかしらん。