四方田犬彦さんの「世界の凋落を見つめて」を読んでいましたら、「大量
殺戮の誘惑」と題された文章がありました。発表されたのは「金曜日」2016年
6月2日号とあります。
四方田さんが大量殺戮をはかりたくなるというのは、どういうことでありま
しょうかです。
「隣家との境界に蔓薔薇を植えて、15年ほどになる。土があったのか、薔薇は
どんどん成長し、今では幅が10メートルを超すまでに拡がってしまった。毎年
春になると葉を茂らせ、緑の巨大な塀となる。やがてピンクの花が一面に咲き
誇る。・・・
ところがどっこい、そうはいかない。薔薇は花が咲くまでが大変なのだ。
あのキミドリ色のプチプチとした、米粒みたいなやつ。アブラムシと呼ばれる
薄気味の悪いやつが、蕾や柔らかな新芽のあたりにびっしりと繁殖し、茎から
液を吸っているのだ。これを見つけたら最後、ただちに討伐隊を組織し、徹底
的に根絶しなければならない。」
四方田さんが徹底的に根絶を目指すというのは、薔薇につくアブラムシであ
りました。四方田さんは、アブラムシ退治には牛乳を水で希釈して噴霧すると
書いていますから、もちろん農薬は使わないのでありましょう。
当方の地域は、今月末からがバラの開花期でありまして、今はそれほどでも
ないのですが、バラの蕾がつくあたりにはアブラムシがいっぱいでありました。
本日に、この文章を目にして、バラについたアブラムシをチェックにいきまし
たら、庭に一本あるノイバラの新しい枝のところに四方田さんがただちに討伐
隊を組織するというキミドリ色のアブラムシを発見です。
このノイバラは、もともと鳥が置いていったものであり、原種でありますの
で、手入れはほとんどしませんのでアブラムシも毛虫もつきたい放題で、それ
が近所のバラに移っては困りますので、その対応だけをしております。
すこしバラが咲いてきましたが、これからが本番であります。まだまだ虫との
戦いは続きます。