野暮用から戻って

 本日に外出先から戻りましたら、友人からパソコンが届いておりました。
 すでに友人との間を何往復かしているのでありますが、本日は夜にかけて、届いた
パソコンの調子を確かめるために、モニターにつないで起動であります。風通しの
悪い部屋で、友人は隠れて煙草を吸っていたりするものですから、パソコンが起動し
ますとやにの匂いがプーンとただよってきます。これはいけませんですね。早いとこ
ろ、送り返すようにしなくてはいけないことで。
 ちょっと時間のかかるパソコン作業でありましたので、完了するのを待つ間、近く
にあった本を手にしていました。ずいぶんと前に確保して、ほとんど読んでいないも
のであります。

本の本―書評集1994‐2007

本の本―書評集1994‐2007

 文庫ではなく、元版でありますので小さな枕くらいのボリュームとなります。
 本日にパラパラと見ていて、目にとまったくだりであります。
イラク北朝鮮。この二つによって、状況は大きく変わった。対外的には強硬路線、
内向きには厳罰主義。
 私自身、書くことがこんなにも息苦しくなるなんて、二十世紀には想像もしていな
かった。戦後六〇年の民主主義的蓄積なんてのは屁でもなかったことがわかる
20001年九月以降、日本の時間は六〇年分以上、巻き戻されたようだった。」
 「本の旅人」2004年11月号に掲載された森達也さんの「世界が完全に思考停止する
前に」の書評
 それにしてもであります。なんと十年以上も前に書かれたものとは思えないことで
ありまして、それ以上のスピードで、時代は逆戻りをしていまして、「日本の時間
百年以上。巻き戻されたようだった」というのが、このところの状況でありましょう
か。