波と図書 9月号 3

 図書9月号にあった高村薫さんの「少数派の独り言」という文章をみていましたら、
本日手にした新聞夕刊には、金時鐘さんへのインタビューでも「絶対少数者」という
言葉が目に入りました。
 日本の先住民であるところのアイヌの人々や併合された琉球の人、そして朝鮮半島
からの人々は、絶対少数派でありますからして、この国で生きていくためには、それ
なりの心構えが必要なのでありましょう。
 先日に見ていたTVで沖縄出身の若い女性タレントが、スペインでフラメンコの短期
レッスンを受けるものがありましたが、その時に彼女が教えてくれる先生に対して
「私は沖縄人です、」といっていたのが印象に残りました。もちろん、フラメンコと
いう舞踊の背景にも少数者の存在がありです。
 本日の金時鐘さんのインタビューは、あちこちに引用をしたいと思うところがあり
ですが、そのなかから、最後におかれたところを紹介です。
「詩を書く者は生き方も必然的に問われます。絶対的少数者の側に立つ。それが詩を
書く者の意思だと思っています。参院選の結果を見て、生きるのも嫌だという気分に
なりましたが、変化を避け、なれ合いを続けようというする社会に分け入っていくの
もやはり詩だと信じています。」
 このインタビュー記事では、金時鐘さんの「在日のはざまで」が取り上げられてい
ました。品切重版未定とありますが、中古では容易に入手できそうです。

「在日」のはざまで (平凡社ライブラリー)

「在日」のはざまで (平凡社ライブラリー)