雨降り続く

 ここのところずいぶんと雨が降るようです。一昨日の夕方から昨日の夕方まで、
なんとか雨はあがっていたのですが、そのぶん夜中から本日午前にかけて雷雨となり
ました。ずいぶんと雷はひどかったようですが、当方は爆睡していたようで、まるで
雷に気づいておりませんでした。雷雨がひどくとも、雨漏りの心配をすることもなし
で幸せなことであります。
 朝方に目がさめて、ふとんにはいったままで、桐山襲さんについての「テロルの
伝説」を読みついでいました。すこし読んでいましたら、またまた眠りにおちてしま
いました。
本日に読んでいたのは、次のようなくだり。(ふとんで横になって読むものではない
ですね。)
「小説はここに到って、唐突に別の局面へ移行する。断片的な四つの記憶を桐山と一緒
に辿っていた私たち読者は、ここで完全に小説が変質したことを知るのだ。小説は、
断片的な記憶を離れ、[十二名の死者たちに関する報告]を開示する。一人ひとり、丁寧
に、連合赤軍(むろんそう明示されているわけではない)の中で、殺されていった者た
ちの死を描く。」
 連合赤軍の山岳ベースで死にいたった若い人たちへの墓碑を作中につくるのでありま
す。たぶんこの事件に触発されて書かれた小説とかノンフィクションは数多くあるはず
と思いますが、桐山さんのものは、亡くなった活動家たちへのシンパシーが半端ないこ
とであります。
 十二名の死者たちに関する報告が終わりますと、再びフィクションとしての小説に戻
るのですが、それにしても1972年の山岳ベースで亡くなった人は、当方とほぼ同じ年格
好の人が多くいたことです。当方にとって、関心のある出来事ではありましたが、
亡くなった人にシンパシーを覚えることはなかったように思います。