谷崎イヤー 2

 「芸術新潮」12月号の特集のタイトルは「谷崎潤一郎の女・食・住」というもので
あります。サブタイトルには「情痴の文豪、大人読みガイド」とありました。
 谷崎潤一郎の世界を歩いてみようと思ったら、ガイドは必要であります。とにかく
小人の常識では理解のできないことがたくさんですし、いまでありましたら週刊誌と
かTVのワイドショーが喜んでとびつきそうな話題でいっぱいですから、このあたり
を整理してもらって提示してもらえば、大いに助かることになります。
 今回の特集は「女・食・住」の切り口ですが、「女」というところだけを見ても、
創作活動の推進力となった女性たちの雰囲気をしるだけでも参考になることです。
「食」というところでは、「蓼喰う虫」に登場する二つの食べものが再現されていま
す。「本棚食堂」のような絵でありますが、その一つは芝居見物に行くときに持参し
た弁当でありますが、「筑前煮、玉子焼き、煮穴子、酢牛蒡、葉のお浸し、握り飯と
沢庵」を詰め合わせたものです。ちなみに、谷崎があげている食べものは、玉子焼き
握り飯、沢庵でありまして、それ以外は「本棚食堂」でありました。