旅先でも本屋へ

 九州を駆け足で旅行をしていたのですが、限られた日程で多くの場所を訪ねてみよ
うとしますと、新幹線というのはとても重宝するのでありました。
 博多、鹿児島中央と多くは駅ビルが整備されて、東京資本のお店などがはいって、
そのまちらしい雰囲気がなくなってしまっています。若い人たちにとっては、それが
よろしいのでしょうが、旅行者からすれば、もうすこしローカルなほうが楽しいこと
です。
 あちこちのかっての繁華街は、どこもこうした駅再開発ビルとの客の取り合いで
苦戦をしているとのことでした。当方は、街歩きのときに商店街にある書店などに
よるのを楽しみにしているのですが、今回の旅行では、長崎の商店街で老舗の本屋
さんに足を踏み入れることができましたが、そのほかでは、まったく縁がありません
でした。大きな町には、そこを代表する書店というのがあったものですが、検索を
かけてみても、全国大手のものしかあがってこなくて、こうした書店しか生き残る
ことができなくなっているのでしょうか。
 長崎のかっての老舗書店は、かなり売り場を縮小し、しかも地下に場所を移して
営業を継続していました。アーケードの商店街にある本屋さんで、昔はさぞかし
お客を集めたところであったろうと思わせました。
 長崎市の作家さんの新作はならんでいましたが、野呂邦暢さんのものは、目に
はいらずで、残念ながら収穫なしで店をあとにしました。