家に戻ると

 一週間ほど家をあけていましたら、新聞と郵便物などが配達されていました。
新聞のページをひらくだけでも一仕事でありますが、そのほかにも庭の草とり、芝生
の刈り込みなどやることがいっぱいです。
 届いていたもので一番楽しみにしておりましたのは「本の雑誌」でありました。

本の雑誌384号

本の雑誌384号

 旅行前に、これを入手したと知人から連絡がありましたが、当方のところには配達
はなしで、旅先の書店でこれをみかけたのですが、帰ってからの楽しみが減りますの
で、立ち読みもじっとがまんでありました。
 創刊40周年とあります。当方が、この雑誌のことを知ったのはいつごろでありま
しょう。かなり早い段階であったのは間違いないのですが、とにかく名前は聞こえて
くるものの、現物をみることができないというものでした。この時代であれば、ネット
通販なんてのもありでしょうが、40年前で、しかも他に仕事をもった人たちが仕事の
かたわらつくる同人誌のようなものですから、どうすれば入手できるのか、まるで
わからんのでした。創刊の頃のことは、椎名さんなどが本にしておられますが、なんと
いっても面白いのは、この頃の逸話でありましょう。
 椎名さんはそれまでに専門に関する本をだしていましたが、一般的にはまったく無名
でありまして、目黒考二さんも沢野ひとしさんも、それは誰という感じでした。
記念号である今月号は、椎名、目黒、沢野、そして木村弁護士の四人がそろいぶみで
文章をよせています。長く続くのが無条件でいいのかどうかはわかりませんが、この
本のようにうまれて、育った雑誌をみますと、自分の人生を重ね合わせてあわせる方
も多いことでしょう。この号に掲載の読者アンケートは「私の『本の雑誌』体験」が
テーマでありましたが、本好きの人にとって、これはかけがえのない雑誌であること
がうかがえました。
 ここに採用されている方で、当方より年長の方はいらっしゃいませんでした。創刊
号を手にした人で、いまもこれを手にし続けている人は、どのくらいいるのでありま
しょう。