本日の新聞から

 本日は各新聞とも読書欄が掲載されるのでありますが、毎日と読売は書評担当による
ことしの三点でありました。毎日は、先週と今週の二週連続での掲載ですが、丸谷才一
さんの影響が、ことしもあちこちにありです。丸谷才一全集のことをとりあげている
人もいるのですが、この全集ともいえない全集は丸谷のためにさびしくはないかと
書いている人はいませんでした。結局、丸谷全集の内容見本を手にすることはできな
かったのでありますが、どこかの書店ではこれを掲示して予約をとっていまして、
現物をみることができました。せっかくですが、これもさびしい内容でありました。
 最近配布されている「吉本隆明全集」晶文社の内容見本は、力がはいっていると紹介
されていましたので、吉本隆明さんにはあまり関心がないものの、内容見本がほしくて
晶文社へとお願いをしました。晶文社の内容見本といえば、長谷川四郎さんのものを
かって掲げたことがありますが、今回の吉本全集の内容見本は、往時の筑摩書房のもの
を思いうかばせる出来映えであります。
あちこちで心配されていますように、全38巻、年に6冊くらいの配本とのことでありま
すから、完結までに6年くらいもかかる計算です。次回の東京オリンピックまでに完結
するでありましょうか。大半の読者は、完結のときには70代になっていそうです。
刊行するときには完結するということではじめているでしょうが、出来上がらずに中断
のままで、終わってしまった未完全集もたくさんあることですから、なんとか最後まで
こぎつけてほしいものです。
 吉本全集の内容見本には、二人の娘さんが文章を寄せていますが、娘さんのファンたち
が隆明全集を購入するとは考えにくいことです。
 本日の新聞広告で一番元気を感じたのは、朝日一面のさんやつにあった筑摩書房のも
のであります。
さようなら、オレンジ 岩城けい 」が芥川賞候補になったということを告げるもので
ありますが、どうやら、次回の芥川賞レースの大本命であるようです。たぶん前評判は
ぶっちぎりなのでしょう。

さようなら、オレンジ (単行本)

さようなら、オレンジ (単行本)

 本日の有馬記念のように本命がそのまま優勝するようなレースとなりますでしょうか。
この広告によりますと、選考会は来年1月16日とあります。来年かと思うのですが、
あとひと月足らずではありませんか。