「en-taxi」40号

en-taxi」40号には、石原慎太郎さんへのインタビュー記事が掲載されています。
石原さんという人は、高飛車で人間的にはまったく好きになれそうもない感じであり
ますが、つき合ってみたらどうなのでしょうね。
 政治的には対極にあって、人間的にも誠実そうな印象をもつ大作家のほうが石原さん
よりも、つき合うのがたいへんであるのかもしれません。
 このインタビューは坪内祐三さんがしているのですが、このインタビューを終えての
坪内さんの感想です。
「私はこれまで石原氏と一面識もない。だがとても気持ちの良い会話ができた。それを
石原氏に感謝したい。
 私は失礼なことは口にしたくなかったが、思っていることを率直に尋ねたかった。
 やはり文学者というもの(いや昔の文学者と言おうか)は良いな、と私は思った。
 石原氏はそもそも『率直』な人だった。そういう『率直』を小林秀雄永井龍男
いった年長者が愛し、それがかっての文壇の良さでもあったわけだが、その年長者が
いなくなり、文壇も消失した。そこに文学者石原慎太郎の孤独がある。」
 文学者 石原慎太郎は孤独であるなんて、思ってもみなかったことであります。
もともと石原作品なんて読んだこともないのですし、文学者としてどのような評価を
受けているのかも承知していません。
 文学者 石原慎太郎なんてほとんど論じられることもないように思いますが、政治
家と文学者のどちらの世界で残っていくのでありましょう。