師走の話題 7

 今月に刊行となる小沢信男さんの「捨身な人」晶文社についてです。
 晶文社のページをみたら13日に出荷開始とありますので、早いところでは14日に店頭
にならぶのでしょうね。これは予想以上に順調な仕上がりです。

捨身なひと

捨身なひと

 この本についての晶文社のページからコピーしてはりつけます。
花田清輝中野重治長谷川四郎菅原克己、辻征夫――今なお、若い人たちをも魅了
し、読み継がれる作家・詩人たち。
 五人に共通するのは物事に「捨身で立ち向かう」ということ。彼らと同じ時間を過ご
し、同じ空気をすってきた著者が、彼らの遺した作品や日々の思い出をとおして、言葉が
きらびやかだった時代の息づかいを伝える貴重な散文集。

【目次】
まえがき
1 一をもって貫く ―花田清輝
2 世のひとびとと天皇と ―中野重治
3 一寸さきは光 ―長谷川四郎
4 死者と生者と ―菅原克己
5 満月や大人になっても ―辻征夫
あとがき  」

「今なお、若い人たちをも魅了し」とありますが、これはそうあってほしいと願いもこめ
た文章でしょう。
特定秘密保護法が成立しましたので、これからは花田清輝さんのようにレトリックを駆使
した文章に学ばなくてはいけないかもしれません。辻征夫さんを除き、四人は戦前から
戦中、戦後を、思えば一筋縄とはいえない複雑な生き方をしてきた方々であります。
 どう考えても時代は、次の戦争のための準備にはいったとしか思えませんが、この四人
の方々が、過去にあった戦前をどのように生きて、戦後に備えたかであります。
四人の方は言わずと知れた新日本文学会のメンバーであって、小沢信男さんは、これまで
もくりかえして書いているものの総集編となるもののようです。
 ほぼそれと同じ大きさで辻征夫さんが登場するというのが、古くからの小沢さんファン
にとっては意外な感じがしますが、それだけ大きな存在であったということですね。
 これに収録されたのは、いずれもこれまで発表したものを手直ししてとなるのでしょ
う。
どのようなものとなっているのか、あと一週間楽しみに待つことといたしましょう。