小沢信男さんの書名となっている「捨身なひと」というのは、もちろん肯定的な
意味あいによってでありまして、それは装画を担当したミロコマチコさんの絵からも
伝わってくることです。
バビルサというのは、「『最後には牙が頭に刺さって死に至る』とのうわさ話があり、
そこから『自分の死を見つめる動物』」ですが、これって人間のことであるのでしょ
うか。
人類が生み出した原発にというのは、いかにもバビルサの頭に生えた牙のようでは
ないでしょうか。これは人類を救い、未来を明るくするものであるといってせっせと
育てていたのはいいが、人類の存在を危うくするものであったとわかった時には、
牙は頭にささりそうなところまできています。
捨身でのぞむというのと、捨て鉢になるというのは違いますが、あとはないぞ捨身
だぞといわんばかりの現代日本の総理大臣には、「自分の死を見つめる」という内省
はあるのでしょうか。
最近の本のタイトルを見ていましたら、「馬鹿な大将、敵より怖い」というものが
ありました。これはオーナー会社のぼんぼん跡取りが、会社をはちゃめちゃにしてし
まうようなことをいうのでありましょうか。
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権力が継承されない国が近くにもありますが、この国などもしょぼいオーナー会社の
ように思えます。
しょぼいオーナー会社というのは、どこか遠い国のことであろうと思っていました
ら、最近の日本国は、すっかりしょぼいオーナー会社の三代目か四代目社長の趣で
ありまして、かっては先代からの番頭もいたのに、いまはさながらなかよし倶楽部の
ようでありまして、けっして尊敬もしていない大将の力を利用してのしていこうと
いう輩ばかりのようであります。
口をひらけばグローバリズムで、その実、極めて内向きで小心な人ということで
しょうか。本日の報道は「特定秘密保護法案」強行採決のことが大半を占めていて、
こんなに雑な国会は見たことがないということで、このような展開となってしまい
ました。