未読率の高い著者 2

 未読率が高いとか低いとかいう話は、あくまでも当方に限ってのことでありまして、
一般にそうであるということではありません。昨日に未読率なんてことが頭に浮かん
できましたのは、「本の雑誌」9月号を手にしていたからであります。
 「本の雑誌」の後ろのほうにある「読みもの作家ガイド」のページを見ていたので
あります。このページのことは、だいたいは表紙に内容が表示されるようであります。
たとえば9月号の表紙では「金井美恵子の十冊を大谷能生が厳選するぞ」とアナウンス
されています。(大谷能生さんとは、どのような人であるのかですが、1972年生まれで
ありますが、ほとんど金井美恵子さんの息子さんのような年齢です。そういえば、金井
さんは高校を終えてすぐにメジャーデビューという感じですから、作家としては長老
のお一人ですが、お生まれは戦後まもなくであります。当方の友人には、すこし年上の
女性と結婚したのがいますが、その女性の年齢と金井美恵子さんは同じでありまして、
これまでそのように見たことはなかったな。)
 金井美恵子さんは、当方にとって最近どんどんと未読率が高くなっている作家であり
ます。作品を発表するのも少なくなっているので、どんどん未読が増えるわけではあり
ませんが、昨年に発表した小説も、いまだ読めておりません。
 ひょっとすると金井さんに対する関心が下がっているのかもしれません。この大谷
さんの文章で一番驚いたのは、次のくだりでしょうか。
「『金井美恵子エッセイ・コレクション(全四巻)が八月から刊行されるという情報が
! エッセイ関係の彼女の著作はとりあえずそのシリーズを読めばいい、ということ
になりそうだけど」
 八月に金井美恵子さんのエッセイ・コレクションが刊行されるなんて、当方はまった
く知りませんでした。