なかったことに

 なかったことにしようというのが、最近の原発再稼働をめぐる状況のようであります。
もともと絶対に安全なことなんか、この世の中にはないのであって、そんなことを求め
られたら原発なんて、日本では成立するわけないと、逆ぎれでいわれそうであります。
まさか、絶対安全なんてことを本気で信用していたわけじゃないよねといわれたら、
なんてこたえましょうか。
 その昔に、沖縄から米軍がなくなってしまったら、いもはだしの暮らしに舞い戻る
ことになるといって、米軍の存続は必要であるとといた人がいました。
それでいきますと、原発がなくなれば、電気代が高騰して、国内の産業は壊滅的な打撃
を受けて、企業は国際競争力を失ってしまい、次々と破綻するという人がいるのもわか
らなくはないですね。
 しかし、これって本当なのでしょうか。そもそもあまり企業活動の恩恵を受けてい
るように感じていないせいもありまして、本当なのかと思ってしまいます。
 少なくとも、ODAとセットで日本の原発システムを輸出するというのは、いかがな
ものかであります。現政権の成長戦略のどまんなかに原発輸出があるとすれば、これは
不幸の輸出ではないでしょうか。