ユリイカ「山口昌男」特集 2

 思いかけずで昨日の拙ブログを紹介してくださる方がいました。
昨日に引用した東ゆみこさんの「山口昌男さん公認の学問上の弟子」というところに
反応されてのことでした。「山口昌男さん公認の学問上の弟子」というのは、晩年の
山口さんが、そう思いたいということを言葉にしたものでありましょうね。最後の一人
というのは、その時々でかわったのかもしれません。東さんの文章のくだりを引用した
のは、これを読んで、あるしゅ山口昌男さんの孤独を感じたからでもあります。
 高山宏さんと中沢新一さんの対談には、中沢さんの次のような発言がありです。
「山口さんの弟子と思ったことは一度もありません。だって山口に弟子なしでしょう。」
 建前でいけば、これはぜったいに「山口に弟子なし」であります。とにかく、山口さん
は、そのようなスタイルで道を拓いてきた方でありますので、「公認の学問上の弟子」
なんてのは、山口理論ではあろうはずもないのでありまして、昨日に弟子として名前が
あがった方たちのほとんどは「私淑はしていたが弟子ではない」と答えることになるの
が模範解答であります。(ひょっとすると今福龍太さんは、弟子ということになるの
かもしれません。)
 山口昌男さんに首尾一貫した正しい人間を求めるのは、見当違いでありますね。
 このことは、山口さんの教え子でもあった岩波の大塚信一さんの著作を読むと強く
感じることであります。