祝 重版出来!

 朝日新聞 5月24日一面下の通称 さんやつ広告欄に「未知谷」のものがありました。
工藤正廣訳「ドクトル・ジヴァゴ」の重版が出来たことを知らせる広告でした。
 3月にこれの刊行を知らせる広告を見たときに、よくぞ、この新訳をだしてくれたもの
と拍手を送ったのでありますが、売れ行きはどうであろうと、自分は購入もしていない
のに、気にしたりしておりました。
 工藤訳の「ドクトル・ジヴァゴ」については、ずっと気になっていたわけですから、
刊行されたら、すぐに購入して、たちどころに読んでしまったというと格好はいいので
ありますが、現実は、読み通せるかどうかに自信がなくなっているのと、やはり相当に
高価な本でありますことから、購入の決断がつきませんでした。(そろそろ父の日と
いうこともありまして、どこかから父の日のプレゼントにはなにがいいと聞かれたなら
ば、工藤訳「ドクトル・ジヴァゴ」をという答えを用意していたのですが。)
 重版がでたと聞いたら、これはすこしでも早くに確保しなくてはとあさましくも動い
てしまいました。
 拙ブログでは、3月にこれが刊行されたことを話題とし、4月には工藤正廣さんに
エールをおくった長谷川四郎さんとのかかわりを話題としております。
http://d.hatena.ne.jp/vzf12576/20130318 
http://d.hatena.ne.jp/vzf12576/20130420
 そして5月になって、やっとこの本を入手したという報告であります。

ドクトル・ジヴァゴ

ドクトル・ジヴァゴ

 手元にある本の表紙をスキャナーしてみました。

 昨日に、これのすこしを読みましたが、非常に読みやすくて、これならば読み通す
ことができそうという気になりました。ここで読了の報告をすることができるでしょう
か。
 本日に押し入れをあさっていましたら、1974年8月に工藤正廣さんが翻訳して配布し
た第一部第一章「五時の急行列車」の冊子がでてきました。これが配布されてからで
も、そろそろ四十年であります。これは、けっこう珍しいものと思われるますので、
これも書影を貼り付けておきましょう。(この冊子の終わりには、手書きで「続刊 
第二章『別圏からの少女』(12月)とありましたが、続刊については確認ができており
ません。」

 朝日新聞地方版(2013年5月21日)の「北の文化」という欄には、工藤正廣さんに
よる「ドクトル・ジヴァゴの哀歌」という文章が寄稿されています。このような文章
は、全国の文化欄にのせるのが適当と思いますが、まあ「北の文化」はそれだけ優れて
いるということか。
 この工藤正廣さんの文章の結語を引用です。
パステルナークは1960年5月30日に死去した。もうすぐ命日がくる。
私がパステルナークの詩集を最初に訳したのは72年のことだから、あれからもう40年も
経った。」