月の初めに

 月がかわりまして出版社のPR誌が届きました。
 岩波「図書」では、赤川次郎さんの連載がなかまうちで話題となっています。
赤川さんの小説作品は、ほとんど読むこともなく来ているのですが、もともとの赤川
さんはこういう人なのかと思いましたです。(劇作家の別役実さんとか赤川次郎さん
というのは、父親が満州でつながっているということで、興味を持ちました。)
 最近は、編集後記にあたる「こぼればなし」も楽しく読んでいます。「図書」は
岩波のPR誌ですから、最後には岩波刊行物に話がいくのでありますが、それまでの
前振りが楽しいですね。
 2013年3月号であれば、次のようにはじまります。
「書簡体の小説は虚構のにおいを感じてすこし苦手ですが、作家や思想家の実際の
手紙を読むのは大好きです。かって『日本思想体系』の『吉田松陰』の巻がほとんど
松陰の手紙から構成されているのを見て驚いたことがあります。
 松陰の主著は彼の生そのものであり、・・・『殉難の態度』は、その手紙になに
よりよく表現されているとする編者・藤田省三氏の解説を読んで、手紙のもつ魅力、
その意味の深さにはじめて目を開かされました。
 その後に読んで『手紙アンソロジー』として忘れがたいのは、ベンヤミンの『ドイツ
の人々です。』」
 このあとには、岩波新書から1月にでた「百年の手紙」に話はつながっていくので
ありますが、吉田松陰からベンヤミンとつながって、「百年の手紙」というのは、
松蔭とベンヤミンには手が伸びなくとも岩波新書であれば読んで見ようかと思わせる
ものです。

百年の手紙――日本人が遺したことば (岩波新書)

百年の手紙――日本人が遺したことば (岩波新書)