井上ひさし追悼

 最近は、すっかり疎遠になっていて、井上ひさしさんの作品には手が伸びないこと
になっていましたが、病気は相当に悪かったのですね。昨年に芸術院会員となった
時に、当方は違和感を感じると記したのですが、そのときにすでに先が長くないの
だから、残された家族のためにも受けていいのだというような書き込みを見たことが
ありました。
 井上ひさしさんの作品は、一時期は新刊がでるたびに購入して、いまでは話題にも
ならないような作品までも読んでおりました。たぶん、20数年も前のことになるので
しょう。その当時に、雑誌「ダ・カーポ」が特集を組んでいて、これの記事が印象に
残っています。本日の記事を記するにあたり、この「ダ・カーポ」の切り抜きを探した
のですが、すぐに見つかりません。
 当方の過去の記事を、井上ひさしのキーワードで検索をしましたら、拙ブログを
始めてまもなく、「ダ・カーポ」にあった「井上好子」(当時の奥様)さんの発言を
引用しておりました。( http://d.hatena.ne.jp/vzf12576/20070220 )
 別れたあとの好子さんは、猛烈なしっぺがえしを井上さんにするのですが、これは
どっちもどっちであるように思ったものです。
 井上ひさしさんについての記事を書こうかどうかと迷っておりましたが、普段、その
ようなことを話しをしたことのない友人から、「井上ひさしさんは、同時代を過ごして
きたという思いが強い」とメールをいただき、彼がそういうならばと思った次第です。
 喜劇の世界からシリアスな世界に転身した森繁久彌のような経歴をたどることを
喜劇人の森繁化と呼びますが(小林信彦によっています。)、井上ひさしにもそれに
通じるものを感じますが、そこが反井上派につけ込まれるところになったのでしょう。
 当方が購読している朝日新聞には、井上ひさし追悼記事がどっさりとありますが、
こうした記事をみますと、朝日の御用文化人であったのかとつっこみをいれたくも
なります。