ゼロ年代の50冊 4

 「ゼロ年代の50冊」と記事のタイトルはしましたが、結局のところ、その年に購入し
たもので、印象に残るものはあるかというようなものとなっていまして、羊頭狗肉
あります。
 当方が、このブログを始めましたのは07年のことですから、これ以前に、どのような
ものがその時々で印象にのこっていたかをメモするのも、自分のためには意味のあるこ
とであるかもしれません。
02年に購入したものとか、印象に残っているものでメモされているのには、次のような
ものがありました。
 ・ 秘境駅へ行こう  小学館文庫
   この時期の小学館文庫には、秘境駅とか、命がけの温泉とかユニークなものがあ
  りましたです。秘境駅という言葉が新鮮でした。鉄道愛好家というのは、本当に
  奥が深い。
 ・ フォーカスな人々 井田真木子 新潮文庫
   このころに亡くなったライターの著作が文庫になったので購入しました。この
  あと文庫で何冊か購入したように思います。たとえば、「ルポ14歳」など
 ・ 神谷美恵子日記  神谷美恵子 角川文庫
   神谷美恵子さんの著作で文庫になっているのは、角川だけでしょうか。あと
  一冊、翻訳詩集も角川です。
 ・ 金井美恵子矢川澄子、岩阪恵子、馬淵美意子の著作など女性作家のもの
 ・ 昨年に続いて「堀江敏幸」を、旧作も含めて三冊ほど
 ・ 私の寄港地  今江祥智   出版工房原生林 / 発行
 ・ くぬぎ丘雑記 川崎彰彦   
 結局のところ、これらを押しのけて極私的印象上位にあるのは、次のものでした。
 ・ 中井英夫書簡集  創元社文庫版全集の10巻 
   中井英夫さんという方は女性にはあまり関心がない人と思っていましたら、
  早世した女流歌人 中城ふみ子との間でかわされた書簡は、ほとんどフィクション
  のようなもの。ほとんど「愛と死をみつめて」のカップルのようにも思えました。
  ( これなどは、当方的にはゼロ年代50冊候補であるかもしれません。)
 ・ 高平哲郎の連載 (朝日新聞社「一冊の本」に)
   これは一冊にまとまったのですが、連載時に読んだのみで、単行本は購入するに
  いたっておりません。晶文社サブカル路線の、推進者による回顧談。
 ・ 梁石日「終りなき始まり」のヒロイン
   奔放な女性ヒロインが登場するのですが、すこし私小説のようにも読める(?)
  ものです。この女性のモデルは李良枝と聞いて、あわてて李良枝の作品を何冊か
  購入しました。
  
 「ブックオフ」が近所にできて、一冊百円の本をたくさん購入するようになったの
 も、この頃からのようです。田中小実昌とか庄野潤三のものなどは、だぶっていな
 ければ、購入ときめていました。
  この年に残念であったのは、船越保武さん、矢川澄子さんが亡くなったことであり
 ました。

巨岩と花びら―舟越保武画文集

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いづくへか

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