湯川共和国2

 「ギャルリプチボア」で開催の「湯川成一湯川書房ゆかりの美術家たち」展の
会場では、「『私の本作り』湯川成一 附 友人會宿 皓月書林」が販売されて
いました。
 この本は、今回の展を「記念し、時里二郎望月通陽戸田勝久、柄澤齋、岡田露愁
の友人會宿を附して300部を刊行した。ほかに装本を変え作品をオリジナルとした
限定60部の特装本がある」と奥付けにあります。
 この冊子の発行所などは、次のとおり。
「 発行所 皓月書林 京都市左京区水雀七丁目十一番地
  刊行日 二〇一〇年三月二十四日
  刊行者 岡田露愁 柄澤齋 戸田勝久 望月通陽
  装 幀 戸田勝久
  印刷所 創文社
  製本所 須川バインダリー   」
 その前のページには、「皓月書林」の由来が記されていました。
「 版元名の皓月書林は李白の『友人會宿」を典拠に名付けられて。湯川スクール、
と言って差し支えないだろう私たちの會宿に亡き人を招き、詩文にあるごとく、
『良宵宣清談 皓月未能寝』のひとときを追憶したいとの思いから本書『私の本造り』
は企てられた。皓月書林は湯川成一の生誕日にこの一冊を開版し、その日に閉じられ
る。」
 準備のために、先付けの日付によって刊行された冊子ですが、本来は24日に販売され
て、その日に版元は姿を消してしまう建前だそうです。
 ギャルリプチボワの展示に足を運んだ方は、ひょっとするとこの冊子を購入すること
ができるかもしれません。