今回のアンケートのベスト３は、「日本の思想」と「バナナと日本人」と
「万葉秀歌」でありますので、この三冊を一人のかたがあげるというのは、
ちょっと考えにくいことです。なんとなく、競馬における三連単のような趣が
ありまして、不謹慎ではありますが、このような三冊をあげているひとが
いたら、相当に面白いぞとおもったのですが、このような人はいませんでした。
「バナナと日本人」と「万葉秀歌」の間に大きな溝があるようです。
「万葉秀歌」と「日本の思想」とか、「日本の思想」と「バナナと日本人」と
いう組み合わせはあるのですが。
前者の組み合わせをあげているのは、「見田宗介」さんお一人でありました。
見田さんの「日本の思想」についてのコメントは、以下のごとくです。
「丸山真男は基本的に近代主義の思想家であり、私にとっては批判の対象であるが、
偉大な批判対象の仕事は幾度読み返しても面白く、刺激的であり、学ぶことも
多い。近代批判という仕事が、安易な前近代主義や日本主義や東洋主義に落ち
こまないためにも、本書の論理は確実にふまえておくべきものと思う。」
見田宗介さんと「万葉秀歌」は意外な感じを受けます。
後者の組み合わせは、昨日にもひきました「篠原一」さんでありました。
