仕事帰りにブックオフ

 休日前の仕事帰りは、まっすぐ自宅に帰るのはもったいなしでありまして、
途中で寄り道したくなります。お酒の好きな人は、どこかで一杯となりますが、
小生は帰路の途中にあるブックオフによるのが楽しみであります。
最近は、なかなか掘り出しがなくて、あの本があの価格の半額であれば購入で
あるのに、なんていいながら見送りをしておりました。
 本日の店頭には、明日まで売価千円以上の本は、5百円引きという張り紙が
してありましたので、いつもは手が出ない新刊定価二千円の本が5百円で買える
計算ということで、ほくそ笑んで棚に向かいました。
 とは、いっても行きつけのブックオフには、小生がほしくなるような新刊定価
二千円を超える本は、いくらもなくて、書棚にむかししばし長考です。
安い本でも千円購入したら5百円引くなんてことであれば、もっと購入していた
かもしれません。そういうセールであれば、これは買いだなと思ったのは、
筑摩書房からでた松下裕訳「チェーホフ」全集でありまして、これは一冊250円
という値段で、箱にはいった美本が10冊くらいもならんでいました。
これってあまりにひどくないかと思いましたが、どなたかとの幸せな出会いが
あることを祈って見送りとしました。
 小生が購入したのは、「打ちのめされるようなすごい本」米原万里さんの
全書評集です。1950年生まれでありますからして、たぶん小生と同学年で
ありましょう。小生は早生まれでありまして「うさぎ」年でありますが、同学年
の多数は「とら」年ということで、同学年の女性は強いというコンプレックスと
いうか、先入観を抱いております。
 彼女もまさに強い女性でありまして、06年5月にガンのために亡くなった
のでありますが、死のすこし前まで、「癌治療本を我が身を以て検証」という
タイトルの「私の読書日記」」を週刊文春に掲載しています。すこしでも
可能性があるとすれば、その可能性にかけるというのが伝わってくるのですが、
自分であればどうであろうと、立派すぎる同学年の女性の生き方に脱帽するので
ありました。