「図書」11月号

 本日に帰宅しましたら、岩波「図書」11月号が届いておりました。
「図書」でまっさきに眼を通すのは、翌月刊行予定の頁でありますが、
それにしても、岩波書店はずいぶんと一月でたくさんの本をだしている
ことです。これだけだしている出版社というのは、そんなにないのでしょうね。
 単行本に限っても、一月で一番刊行点数が多い出版社は講談社であると
聞いたことがありましたが、これの真偽のほどはわかりません。あの会社の
規模からして、まったく違和感はかんじません。
岩波とか、新潮社は刊行図書目録というのがでているのですが、講談社
点数が多すぎて、そのような目録がまとめられないともきいたことがありますが、
これは、あっても一般の読者の眼にふれないだけでしょうか。
 岩波文庫 12月刊行予定図書に「 定本 育児の百科 上」松田道雄
ありました。ちくまで「言海」が文庫になるのですから、よみものとしての
「育児の百科」が文庫となってもいっこうに不思議ではなしですが、まさに
松田道雄さんのライフワークである「育児の百科」が、このような形で
入手しやすくなるのは大歓迎であります。著者が存命中は、できるだけ新しい
医学の動きをとりいれて改版をするようにしていた百科ですが、さすがに
医学的な内容については、手の入れようがなくなっているでしょうから、
歴史的な読み物として復活するのに、かっさいをあげるのでした。
 この「育児の百科」は、大家族での子育てから核家族での子育てへと移って
いくときに、当時の若い親たちにむけてかかれたものでありますが、松田
イズムで育児をうけた世代が、そろそろ子育てを完了して、孫にかかわる年齢と
なっています。
 児童虐待育児放棄というのは、子どもたちの自主性を尊重した結果に
発生した現象というようなことがいわれますが、このような発言に、
松田道雄さんは、どのように反論をしたでしょうか。