「寂兮寥兮」 大庭 みな子

 大庭みな子さんの作品は、ほとんど読んでもいないのですが、気になる
作家でありました。自宅には何冊もないはずで、谷崎潤一郎賞を受けた
「寂兮寥兮」(かたちもなく)という作品を文庫本で持っておりました。
短編といっていいものですが、これがなかなかわかりにくいものなのです。
 数年前に藤枝静男のところを訪ねるというような話題の作品を文芸誌で
立ち見して、これは一冊になったらまた読みたいなと思っているうちに
本日にいたっています。
 享年76歳とあったように思いますので、小生の母よりもすこし若いので
ありますが、外国生活がながかったせいかずいぶんとはいからな印象を
受けました。戦後の文学史では、彼女のことをどのように位置づけるので
ありましょうかな。