柄にもなく

 連日のサッカー観戦で寝不足状態が続いているのですが、本日は先日に購入した岩波
新書を手にしておりました。案の定でうとうととしてしまったのですが、いねむりしな
がら、この本のさわりのところを読むこととなりです。

 昔から気になる存在の著者でありますが、頭の構造が違うことを痛感することで、ま
るで読み進むことができずでした。それでも、岩波新書から刊行されるものは買ってい
たのでした。
 若いと思っていた著者も、すでに八十代にはいっているとのことで、すこしは分かり
やすく書いてくれているでしょうか。
ということで、手にして読んでみたのは、はじめにとあとがきでありますが、あとがき
には、次のようにありでした。
「本書を、今は亡き鶴見俊輔さんに捧げたい。本書の中では一度も言及していないが、
鶴見さんの、素朴なポジティブなラディカリズムは、一番大切なことをわたしに教えて
くれた。」
 見田さんが鶴見さんについて、このように書いているのを見て驚きました。見田さん
が、鶴見さんについて書いているものがあるのでありましょうか。「一番たいせつなこ
とを教えてくれた」というのは、影響を受けたというふうに理解してもいいのかな。
それを具体的に書いているものがありましたら、ほんとに読んでみたいこと。
 はじめには5ページほどの文章で、この本の仕組みを記しています。この5ページと
序章を何度か読み返したのですが、見田さんの魅力(?)はうかがえることです。
まあ、頭でわかろうとしないほうがいいのかもしれません。
「あらゆる障壁を打ち破りながら進展しつづけるこの『近代』という原理、その最後
純化されつくした形としての<情報化/消費化社会>は、それが全世界をおおいつくし
た<グローバリゼーション>というまさにその事実によって、ここに初めて、この無限
の発展の前提である環境と資源の両面において、地球という惑星の<有限性>と出会う
ことになる。
 球は不思議な幾何学である。球表はどこまで行っても際限ない。それでもその全体は
有限な閉域である。球は無限でありながら有限である。」
 普通の人は、前段を受けて「球は不思議な幾何学である。」なんて書かないよなであ
ります。これが見田流なのかな。これを他の人がまねをしたら笑われますでしょう。
 ということで、もうすこしこの文章を読んでみることにします。