旅の空から 3

 本日は雨降りでありました。昨日は早朝に散歩へとでかけたのでありますが、
これは雨のために中止としました。
 本日は移動日でありまして、早い時間に駅へとむかいました。

 駅には大きな垂れ幕が下がっていますが、それは北陸新幹線の開業を告げる
ものでありました。2015年春に東京とこの地は2時間半でつながるのだそうです。
これまで密な関係がありました大阪はこれ以上に近くなることはなさそうであり
ますが、東京へはもっともっと近くなりたいということでありましょうか。
 こちらの駅の改札を通過したとき、自動改札ではなく、駅員さんが乗車券に
スタンプをおしてくれたのには驚きでありました。このように改札を通過した
のは実にひさしぶりのことでありまして、田舎の駅を利用するかののような
いい気分でした。
 ホームにあがりますと、寝台特急列車がホームにはいってきました。数年前に
これにのって旅行したことを思いだしました。当方が乗る列車は、何分か遅れで
寝台特急を追いかけるのでありますが、たしか途中の駅で追い越すはずで、それ
を見ていようと思いながら、居眠りをしてしまいました。

 車中で手にしていましたのは、岩波文庫「鏡花随筆選」ですが、このなかから
鏡花が故郷について書いた文章を読んでおりました。泉鏡花賞のせいもあって、
鏡花といえば金沢でありますが、そこに住んでいたのは17歳までとありました。
なんとなく、ずっと金沢にいたものと思いこんでおりました。