小沢信男さんの「赤面申告」(朔人社刊)は、小沢さんにだした小生のファン
レターにお返事をいただいたとき、近刊でこのようなものがありとご案内があった
ものです。
これの前にでた「若きマチウの悩み」が新刊で購入した最初のものですから、この
73年9月以降、小沢さんのものは新刊で求めておりますので、ファンとしてはそこ
そこ年季がはいっています。
小沢さんの詩は、なかなか眼にすることができませんが、詩集「赤面申告」の
跋文となる長谷川四郎さんの「赤面後記」に引用されている詩と詩集のタイトル作品
を以下に引用することといたします。
まずは、長谷川四郎さんが後記で引用している作品「夕日の波止場で」(冒頭に
おかれたものです。)
夕日の波止場で
ふりかえると
ながいながい影法師
じつにほそくて ひらべったい
あの髪ふりみだした頭のやつは
やはりぼくの頭だろうか
つきあいきれない遠さだなあ
赤面申告
1
どうして生きているのか
死ぬのがそら怖ろしいから?
生きたい気持ちで一杯だから?
いやいや じつは
ぼくはぼくにもお構いなく
とりあえず生きているようなのだ
2
とにもかくにも生きてきました
日毎に恥をかさねてきました
これがわたしの財産です
みんな あなたにくれてやります
新聞のTV欄を見ていたときに、番組のコーナータイトルで「赤面申告」と
いうようなものを眼にしたことがあります。この「赤面申告」というのは、
ありそうでなかった四字熟語でありまして、この小沢さんの詩集で使われた
のが、最初でありましょうか。