晶文社図書目録 

目録70.5

 晶文社が文芸部門を閉鎖するということで、あちこちのブログで話題になっています。当方のように40年以上も、この出版社のファンであったものとすればさびしくないことはないのですが、もうだいぶん前から縁遠くなっていましたね。
 そもそも津野海太郎さんの「おかしな時代」をださない晶文社なんて、見限られて当然という感じです。たぶん、(新刊で購入した最後の晶文社本というのは、岡崎武志さんのものでしょう。)
 晶文社が文芸から撤退するというのは、創業者の中村勝哉さんが亡くなった時からずっといわれていたことでありまして、そうしたなかで、がんばってきた編集者には、お疲れとしか言いようがありません。
 林哲夫さんの「daily-sumushttp://sumus.exblog.jp/11940449/ を拝見していましたら、晶文社図書目録1973・5を入手したとありました。
 古い晶文社図書目録なら、当方も捨てずにとってあったはずと探しましたら、古い
ものがでてきました。当方の手元にある一番古い物は、ここに画像を掲載しているもの
でありまして、表紙には1970・5とありました。版型はシステム手帳のバイブル版
スリムのようなものでありまして、このサイズは、いかにもポップな感じがしたもので
あります。もともとの晶文社は、けっしてサブカルテュアの本やではなかったの
ですが、70年代からは時代とマッチして、学生には一番身近に感じる出版社となって
いたように思います。70年以降において晶文社の本をどのくらい購入しているのか
わかっていませんが、仮に会社はなくなっても、当方の手近には晶文社の本がおかれて
いるのであります。
 晶文社の図書目録も10数年分がまとまってありました。
 晶文社としての処女出版は、1961(昭和36)年 寺田透「理知と情念」下でした。
編集者 小野二郎さんが弘文堂をやめ、彼の編集した本をだすために中村勝哉さんが
晶文社をおこしたのでありました。考えようによっては、このような会社が、よくも
これまで持ちこたえたものであります。