やっと動きだしたか

 昨日に、なかなかページを稼ぐことができないとぼやいた佐藤亜紀さんの小説であ
りますが、本日になって、すこし動きだしてきましたよ。やはり小説は「スウィング
しなけりゃ」であります。
 この小説の帯には「ナチス政権下のドイツで悪ガキどもが夢中になったのは敵性音
楽のジャズだった」とあるのですが、この小説に登場する悪ガキたちはジャズが好き
でバンドを組んでいるようにあるのに、これまでのところジャズを演奏するシーンが
あまりでてこないというか、小説を読んでいてもジャズが聞こえてこないのでした。
 もうすこし音楽が前面にでてもいいのにと思っていましたら、ひどくマニアックな
形で、音楽にかかわることになり、このエピソードが面白い。これにひっぱられて読
み進めることになりそうです。
 ちょっとのってきたので、これからはブレーキをかけながら読まなくては。
 本日は外出したおりに、年明け二回目のブックオフです。お正月は終わりましたの
で、本日の予算はワンコイン5百円ということになりです。
 本日は岩波文庫で、次のものを購入です。

明治劇談 ランプの下(もと)にて (岩波文庫)

明治劇談 ランプの下(もと)にて (岩波文庫)

 岡本綺堂といえば「半七捕物帳」の作者でありますが、生まれたのは1872年で明治
5年10月とのことです。その年の冬に陽暦に変わったとありますので、ほとんど江戸で
はないですか。
 この方が、幼いころからの芝居小屋通いの思い出をまとめたのが「ランプの下で」
となります。
 この本の冒頭におかれているのは、「守田勘弥」についての文章です。著者が最初
に足を運んだ芝居小屋が守田勘弥が座主をつとめていた守田座あらため新富座との
ことから、この文章になったのでしょう。この時代の守田勘弥は、検索してみますと
十二代目ということがわかりました。
 当方が若い頃は、いまだ守田勘弥という役者は現存したのでありました。十四代
となるこの方は、現在の二代目水谷八重子さんがお子さんのようですが、歌舞伎では
坂東玉三郎さんを養子として育てた方でありました。
 昨日に玉三郎さんの「伝心 玉三郎かぶき女方考」という番組がNHK Eテレであり
まして、それを見て恐れ入ってしまったのですが、玉三郎さんは、すでに現在の歌舞
伎の世界では並ぶものない女形となっているのですが、玉三郎さんがライバルとする
のは、江戸とか明治の伝説の名優なのでありましょう。
 それにしても、玉三郎さんは襲名ということには縁がなく、玉三郎で終わるのであ
りましょうか。それにしても、守田勘弥というイメージではありませんね。