早速読了せり

 佐藤正午さんの「月の満ち欠け」ですが、昨日に購入して、すこし時間をかけて読み
ましょうと思っていましたが、読み始めますと、どんどんとページが進んで、本日の
午後には最後のページにたどりつきました。
 これはちょっとスピードを上げすぎで、車で走って周辺の風景がまるで目に入って
いないに近いものであります。もっとゆっくりと車窓の風景を楽しまなくてはいけない
ことで。一度最後のページまでいきますと、なかなかゆっくりと読み返すこともでき
ないので、とりいそぎ、最初からまた筋ではなく、伏線に気をつけてページをめくる
ことになりです。
 そうして読んでみると、あちこちにそうであったのかと思う仕掛けがありですから、
読み返すたびに、新しい発見がある作品かもしれません。
 佐藤正午さんの岩波からでた前作「きみは誤解している」は、競輪場に出入りする
人々が登場する連作でありましたが、この作品には競輪場に出入りする人はでてこない
のかなと思いましたら、作中人物で公営ギャンブルにはまる男性がいるのですが、出入
りするのは、船橋オートレースと川口のボートレースでありまして、残念ながら佐藤
さんがお好きな競輪場へと足を運ぶことはなしです。
 船橋と川口へといったのであれば、すこし足をのばせば大宮と京王閣でレースがある
のですが、作中人物が登場するときは、どちらもレースが開催されていなかったかな。
これがすこし残念ですね。

月の満ち欠け

月の満ち欠け