終わる小説、始まる小説

 本日の新聞は読書欄が掲載となっています。これに加えて、月間文芸誌

の広告とか文庫本の広告などもありまして、紙面はにぎやかであります。

なかなか本を買うことは出来なくなっているのですが、広告で目を楽しませ

ることにいたします。

 今月の文芸誌広告で目についたのは「文學界」のトップにありました磯崎

憲一郎「日本蒙昧前史第三部」の連載開始とあることです。

2020年に発表された「日本蒙昧前史」は、2024年に第二部が続き、今回

完結篇がスタートすることになります。

 「文學界」の広告には、次のようにあります。「蒙昧の時代に迫る語りは

ある一人の男をついに捉える。待望の完結編が動きだす!」

2020年代に発表された小説のなかで(いくつも小説は読んでいないのです

が)、当方の最も好きな小説が「日本蒙昧前史」となります。

 第二部は単行本になった時に、図書館から借りて読んでおりますが、たぶん

第三部がまとまって単行本となるころには、第二部が文庫となりますでしょう

から、それを機にまた読んでみることにいたしましょう。

 磯崎さんは、当方よりも14歳くらい年少でありますが、昔はよかったというの

ではなく、現在はどうして、このような社会(政治、経済など)になってしまった

のだろうという思いがあるのでしょう、その「蒙昧な社会現象」の水源を辿って

時代を遡っていくことになりです。

 そのことは、第一部がよりくっきりと描かれているかと思いますが、現在の現

象は、一日にしてならずでありますね。

 今回の第三部は、どのような物語となるのか、これは図書館で「文學界」の

連載を読んでみることにいたしましょう。

 「群像」9月号には、乗代雄介さんの創作「水の中のメタセコイア」が掲載さ

れています。なんとなく短い作品のようにも思いますが、ここのところ中篇小説

の発表がなくて、乗代さんの作品が芥川賞候補にあがってきません。そろそろ

どうですかと担当編集者は、やきもきされていることでしょう。

 連載終了するのは、「新潮」の辻原登さんのものですが、辻原さんも80歳と

なっていますので、これからは新作が少なくなっていくのかな。辻原さんの作品

は、できるだけ読んでやろうと思って、買ったり借りたりしているのですが、いく

つかはまだ読むことができていません。まだまだ辻原さんの小説を読む楽しみは

残っているということで。