年の初めの一冊は、予定では新年会に来る家族が買って持ってきて
くれる堀江敏幸さんの新作のはずでありましたが、年末に不幸が入って
新年会には参加出来ずとなりました。結局は、堀江さんの新作も、次の
機会にということになりました。
新年会もなくなってしまったので、これはどうしたものかと、その日まで
セールをしているブックオフに足を運び、それに続いて行きつけの本屋へ
と行くこととしました。
行きつけの本屋は、このところ文庫本くらいしか買うことができていな
いのですがと、棚を見ていましたら、おおっこれが入っていたかというもの
が目に入りました。行きつけの本屋に入っていたら、これは買わないわけ
にはいかないということで、買わせてもらいました。
次の一冊となります。
今年の一冊目が皆川博子最新作品集しかも日下三蔵編でありますから、
ひどくめでたい気分となることです。刊行されたのは、昨年12月上旬である
ようですが、奥付の初版発行日は12月30日です。
巻末には二段組で編者日下三蔵さんの解説があります。その書き出しには
次のようにありです。
「私は都筑道夫、山田風太郎、皆川博子の作品は、すべてが新刊書店で買える
状態であるべきだと思い。これまでに品切れ著書を復刊したり、未刊行の短編
を単行本化したりといった活動を行ってきた。」
先日に、昨年の回顧でも話題にしたのですが、当方が皆川博子さんを知り
ましたのは、日下三蔵さんの皆川博子さん推し活のおかげでありました。
今回の作品集に収録の短編小説はオール讀物、小説現代、小説宝石に発
表となったもので、一番多く発表されたのは「オール讀物」であったことから、
版元の文藝春秋社が単行本化するだろうと思って手を出さずにいたら、いつ
になっても実現しないので、日下さんが皆川さんに単行本化を持ちかけて、
了解を得てから、版元に企画を持ち込んだとのことです。
表題作は、2019年の短編ですので、皆川さんが89歳の時の作品。
「昨日の肉は 今日の豆」とはまたどういうことでありましょうかと思うので
すが、作中に「私を見上げ、『昨日の肉は 今日の豆』と雀は歌った。古い
小学校唱歌のメロディだ。他の雀たちも、揃って私に目を向け斉唱した。
『昨日の肉は 今日の豆』
『さらば』と握手ねんごろに
別れてゆくや右左
砲音絶えし砲台に
ひらめきたてり 」
「さらば」以下は現実にある小学校唱歌であるようですが、戦後世代は
ほぼ歌ったことはないでしょうね。当方もこれだけでは唱歌の曲名がわか
りませんでした。
もちろん、この歌に馴染んだ世代は、「昨日の肉は 今日の豆」とある
だけですぐに曲名がわかるのでしょうね。ちなみにこれの元歌詞は、「昨日
の敵は 今日の友」でありますので、雀たちは、このところの節で歌ったの
でありますね。
2019年に発表の小説で、この話題はと日下さんは解説で書いているの
でありますが、当方はほかのことを思い浮かべてしまいました。(まるで何の
ことかわかりませんが、ねたばれ回避であります。)
