「野蛮な読書」から

 本日も平松洋子さんの「野蛮な読書」から話題をいただくことにです。

 この「野蛮な読書」では、やはり宇能鴻一郎に関してのところが一番の読み

どころだなと思うのですが、本日は「本は本を連れてくる」ということで、このあと

は、その他の章についても話題にしてみようかと思っています。

 その前に、あとすこし平松さんの「宇能鴻一郎私論」からであります。

これに、次のようなくだりがありました。

「その特異な作品世界に刺激を受けた作家はたくさんいたが、栗本薫もその

ひとりだった。

 ここに一冊の文庫本がある。

『いま、危険な愛に目覚めて』栗本薫選 日本ペンクラブ編 昭和60年刊

 編集担当者は村田登志江さんである。

中島梓名義で評論活動もなさる博覧強記の方でしたし、読書量も膨大で、

決断も早かった。アンソロジーの選者をお願いしにうかがうと、『あたしが選ぶん

だからふつうの本にはならないわよ。それでもいいの』。ええもちろんおまかせし

ます、とお伝えしました。』

 そして選んだなかに、宇能鴻一郎『公衆便所の聖者』があった。・・・・

 巻末の『解説』で、栗本薫は告白している。

『かって、宇能鴻一郎は私のヒーローの一人であった。『魔楽』『切腹願望』

『リソペディオンの呪い』『座蠟の刑』といった、妖しく、悲惨な、悪夢のような、

そして異様な吸引力をもった小説を私は読みふけり、呆然とした。』」

 昭和60年に栗本薫さんが、このように書いているのは、平松洋子さんが紹介

してくれなくては知ることがなかったでしょうね。

 そう思いながら、拙ブログの過去記事を見ておりましたら、そのとき(2021年

8月) id:qfwfq

宇能鴻一郎については、つとに、「女性の読み巧者」の一人、栗本薫が選者と

なったアンソロジー『いま、危険な愛に目覚めて』(集英社文庫)に宇能の「公衆

便所の聖者」を収録し、「彼がどのような恐るべき作家であるかを知ってほしくて、

この一篇を入れる」とオマージュを捧げたのでした。初期の純文学作品ではなく、

後期のにっかつロマンポルノの原作となったポルノ小説でもなく、その中間に位置

する倒錯的で耽美的な官能小説の数々(単行本にして十数冊に及ぶ)も、本書に

つづいて再刊されるといいですね。」

 なるほどわかっている方にはわかっていることでありまして、このアンソロジー

ことは、その時にチェックをしているのですが、すっかりとんでいました。

 今はほとんど話題になることもない栗本薫さんですが、亡くなって何年になるの

かな。これまでほとんど縁のなかった栗本さんともつながることで、「本は本を連れ

てくる」でありますね。

 ということで、本日は集英社文庫「いま、危険な愛に目覚めて」の入手にむけて

動くことになりました。なんとか注文完了であります。