「長谷川四郎とそのきょうだい」展開幕

 楽しみにしておりました北海道文学館での「長谷川四郎とそのきょう

だい」が開幕しましたので、本日午後から見物に行くことになりました。

 当方は長谷川四郎さんの古くからのファンでありますし、やはり初日に

行かなくてはなと思ってでかけたのですが、十数年前でありましたら、同

好の友人に声をかけて一緒に会場へと行ったものですが、そうした友人た

ちも亡くなったり、体調を崩していたりして、さびしくも当方一人で行く

こととなりました。

 札幌にでまして、地下鉄中島公園駅で下車3番出口から5分も歩きました

ら、建物が見えてくることにです。

北海道立文学館 長谷川四郎とそのきょうだい展

展示のちらし 表

 

今回の展示図録 1400円

 函館市文学館に常設の展示があるとはいえ、このように規模の大きな展示と

いうのは、何十年に一回のことでして、当方が生きているうちにあとあるか

ないかでありまして、これは本当にありがたいことです。

 長谷川四郎さんに関する図書資料に関しては、当方は個人としてはかなり多く

収集しておりますので、ほとんどびっくりすることはないのですが、それでも

函館市の資料などを活用するとなれば、それは生原稿などもでてくるというこ

とで、楽しみが多いことです。(それに加えて、海太郎、潾二郎、しゅんさん

のものなどもあるわけですから、函館が誇る四兄弟の人と仕事展になるわけ

でして)

 本日は初日ですから、もうすこし来場者が多いかなと思っていたのですが、

ぱらぱらでありまして、函館であったら、もっと入場者は多いのではと思った

りです。

 おかげでゆっくりと時間をかけて見ることがあって、四郎さんのところに関し

てだけいっても、そうかこれもちゃんと抑えていたかと思って見ておりました。

ほとんど当方が思いついた資料は、展示されていたように思います。(馬鹿に

するんじゃないといわれそうですが)

 ひどくマニアックな話になりますが、これの展示があってもよかったのでは

ないかと思ったのは(もちろん四郎さんに関してです)、1975年に土曜美術社

からでていた「自由時間」というリトルマガジンですね。

 

長谷川四郎編集 「自由時間」 これは悠木千帆さんとの対談が目玉

 今回の展示では、村上春樹さんが四郎さんの短編を若い人に勧めていると

いうキャプションがあったのですが、それをいうなら、中高年の女性に大変

人気があった樹木希林さんが、本などは大半処分してしまったのだが、亡くな

るまで四郎さんの本を六冊手元に置いてあったと、椎根和さんが報告してくれ

ていたのです。

 樹木希林さんの生き方に惹かれていた女性たちもいるはずでありますので、

そうした方へのメッセージということからも、「自由時間」はあってもよかっ

たかなです。

vzf12576.hatenablog.com 

 展示している文庫本で、「シベリア物語」の講談社文芸文庫版がありま

したが、当方の感覚では、ここはやはり旺文社文庫でありましょう。

図録をみましたら、現館長の工藤正廣さんが、「ぼくは内村剛介さんとは

知り合っていたが、長谷川四郎さんとは初めてのであいだ」と言及している

「生き急ぐ 内村剛介」さんが、この旺文社文庫に「四郎をロシア現代作家

のなかへ措く」という解説を書いていまして、四郎さんの本が文庫になった

のも、内村剛介さんが力の入った解説を寄せているのも画期的であるからで

すね。これを機会に旺文社文庫のすごさをすこしでも知ってもらえればです。

 あと一つは、単行本で「長い長い板塀」が展示されていて、その横に初出

の雑誌で「長い長い板塀」のページがでているのですが、この本で一番の

作品は当方にとっては「デルスー時代」でありましたので、こちらの作品の

初出誌でもよかったのではないかな。当方がリアルタイムで読んだ作品で

一番わかりやすく感銘を受けたのが「デルスー時代」でしたからね。

 そうすることで、ちくま文庫から堀江敏幸さんの編と解説ででた「鶴」に

「デルスー時代」が収録されたことも生きてくるような気がしてです。

 とまあ、気楽な立場で、勝手なことばかりをいうことです。友達でも一緒

でありましたら、見終わったあとにコーヒーを飲みながら、そんな話もでき

たかもしれません。

 そう思いながら、会場をあとにして地下鉄駅へとむかっておりましたら、

向こうから歩いてくる方にお声を掛けられることにです。

これが、まったくなんという奇遇でしょうか、長谷川潾二郎さんの熱心な

ファンであるりんこさんでありまして、たぶん、これのために札幌に来られ

るのだろうなと思ったのですが、まさか、路上でばったり行き会うとは、

これぞ長谷川兄弟につながる機縁でありまして、こういうことがあるから、

推し活はやめられないことです。

  この展示のことをいち早く教えてくれたのも、りんこさんでありました。

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